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Transplant / Replant
歯牙移植・再植
安曇野市の歯医者、「スマイル歯科クリニック」では、生まれ持った患者さんご自身の歯を大切に考えた治療を行っています。
できるだけ歯を残し、その歯を最大限に活用する治療法が、「歯牙移植(しがいしょく)」や「再植(さいしょく)」です。
こちらでは歯の移植や再植治療についてご説明します。当院では患者さんの状態に合わせて、最適な治療をご提案しております。
ご心配なことがあれば、お気軽にお尋ねください。
歯牙移植
歯を失った場合、一般的にはインプラントやブリッジ、入れ歯といった治療で歯の機能を補います。しかし、実はそれ以外にも、ご自身の歯を用いて失った歯を補う治療があります。それが、「歯牙移植」です。
歯牙移植ではお口の中の使われていない歯、いわゆる「親知らず」を、失った歯の部分に移植します。人工物ではないため、生体親和性にすぐれ、自分の歯を有効活用できる治療法です。
親知らずが残っている場合に限られますが、もし使われていない親知らずがあれば移植を考えるのもよいでしょう。自分の歯を活用するため、インプラント治療よりも費用がかかりません。
移植のメリット
- 人工物ではなく、患者さんご自身の歯を最大限に有効活用できる
- 移植される歯の根元にある「歯根膜(しこんまく)」によって、すぐれた噛み心地を再現できる
- 自分の歯に限りなく近く、食事も違和感なく楽しめる
- 自分の歯なのでアレルギーを起こす心配がない
移植のデメリット
- 高度な技術を要する治療法であり、治療を行っているクリニックは限られる
- 当院では高い成功率を誇っているが、様々な要因によって骨とくっつかない場合もある
- 条件に合った歯が残っていなければ移植できない
- ごくまれに感染が起こることがある
症例
移植1
左上の8番(親知らず)を、左下7番に移植。
術前パノラマ撮影
術後5年後パノラマ撮影
術前写真
術後写真
親知らず以外の移植
親知らずだけでなく、違う場所に生えてしまった歯や埋伏歯なども移植で利用することができます。半埋伏した右下5番を、保存不可能で抜歯した7番に移植したケースです。役に立たないどころか、隣在歯の虫歯リスクを高めている歯を有効利用することができました。
術前写真
術前パノラマ
術後補綴前
術後補綴後
術後写真
意図的再植
意図的再植術とは、通常の治療では根本的な解決が難しい場合、意図的にいったん抜歯してから、お口の外で治療を行い、再び元の位置に戻す治療法です。たとえば根っこの先の方で根管が2つに分かれているなど、通常の治療では治らないときに、根の先の病巣を除去してから歯を植え直します。
術前正面写真
術前レントゲン撮影
術前CT撮影
再植中1
再植中2
再植中3
術直後レントゲン撮影
術後レントゲン撮影
術後写真
難治性の根っこの病気の意図的再植
一度抜歯して治療後、大きな病巣がなくなり術後治癒を確認後再植。
術前レントゲン
術直後レントゲン
術後レントゲン
Transplant / Replant
その他歯を残す技術
治療方法
当院では、重度の虫歯に対して、まずは歯の根の治療(根管治療)を行い、改善を目指します。しかし、それでも改善が見られない場合には、抜歯するのではなく、「再植」などの治療によって、できるだけ歯を残すよう試みています。
根の治療で治らないとき
通常の根管治療で改善が見られない場合は、以下のような治療を行います。
歯根端切除術
歯根端切除術とは、通常の根管治療を行っても治らない根の病気に対して、根の先の膿を外科的に取り除く治療です。従来は肉眼で行っていた手術のため、成功率はあまり高くありませんでした。
しかし現在では、肉眼の3~20倍にまで拡大表示できるマイクロスコープを用いて手術を行い、肉眼では判別できない部分も安全かつ正確に治療します。これによって、成功率90%以上と、格段に信頼性が高まりました。
術前レントゲン
術前
術後
外科的に根の先端の悪い部分を直接除去する、逆根管充填を行う。
歯が埋まっている
虫歯などで歯の頭の部分が無くなって歯根だけになり、歯が歯茎に埋まるような状態の場合、以下のような方法で治療を行います。難しい場合もありますが、歯根の長さが十分に残っていれば治療の検討が可能です。この治療の後に歯冠延長術(歯ぐきや骨を削って歯を歯ぐきの上に出す治療)を行うことで、歯肉ギリギリの高さだった歯も予後が良くなります。
矯正的挺出(ていしゅつ)
歯茎よりも深いところで虫歯になっていたり、重度の虫歯によって歯冠がなくなったりしている場合に行う治療です。埋まっている歯に部分的な矯正装置を装着し、歯を正しい位置まで徐々に引っ張り上げます。
術前レントゲン
(骨に埋まるほどの虫歯)
術前
(歯の頭の部分が虫歯でなくなっている状態)
術中レントゲン
(挺出された状態)
術後
(挺出後健康な歯質が歯肉の
上に出たのがわかる)
術後2
(土台を立てこれに上物をかぶせていく)
外科的挺出
歯が割れたり、深いところで虫歯になったりした場合、いったん抜歯してから歯を再植します。その際に歯を戻す位置を浅くして、歯肉の上に最低でも1mm~2mm程度出るようにします。
術前
術直後
術後
外科的挺出術後5年
破折して抜歯と診断されたとき
歯を失う原因として、虫歯や歯周病の次に多いのが歯の「破折(はせつ)」です。破折とは事故やケガ、普段の食事などでも過度な力が加わると歯が割れたり、折れたり、ひび割れしたりすることで、破折した歯のことを「破折歯」と言います。
破折歯の治療
当院では、できるかぎり歯を保存する治療を目指しています。従来、破折歯として診断された歯は抜歯するのが一般的でしたが、最先端の治療法を用いることで、保存できる可能性もあります。他院で抜歯と言われた場合でも、一度当院へご相談ください。また、場合によっては抜歯した方が良い場合もありますので、担当医にご相談ください。
口腔外接着再植法
破折歯を丁寧に抜歯してお口の外に取り出し、破折した部分を修復してから、元の歯の位置に再植する治療法です。抜歯をしてから処置するため、炎症部分をしっかり除去でき、予後も安定しやすいメリットがあります。
難易度の高い治療のため、対応している歯科医院はあまり多くありません。当院では、破折によって他院では抜歯と判断された歯でも、口腔外接着再植法で修復できないか検討し、ご提案させていただきます。
破折歯口腔外接着再植法
術前
接着前の破折した歯
口腔外接着再植直後
術後
(被せ物をセット)
術後レントゲン
術後5年経過
(被せ物をセット)
5年経過後レントゲン